今回は奈良交通のお話です。
このテープの特徴は、
珍しい到着前放送!
奈良交通のテープでは出発後と到着前の2度の放送があります。
普通の路線バスで到着前放送が入るのはかなり珍しい部類に入ります。
奈良交通について
奈良交通は奈良県を中心に路線・観光バス事業を営んでおり、近鉄バスホールディングスに属しています。
その名の通り奈良県はほぼ奈良交通が占めており、近畿地区のバス会社の中では最大手とされています。鹿のマークがシンボルとなっているのも奈良らしい印象を与えますね。
1929年に奈良自動車が設立されたのが始まりとされていますが、事の発端はそれよりも前に桜井駅付近で運行された松山自動車商会が本当の始まりとされています。
こちらもやはり戦時統合により勢力が大きくなったようで、1943年に最後の吸収合併を行い社名変更で奈良交通が発足しました。
1988年には100%子会社のエヌシーバスが設立され、奈良交通より移管された路線の運行を担っていますが、収支の問題で奈良交通本体に戻された路線もあります。
エヌシーバスに移管された38系統。

今回紹介する郡山若草台線(38系統)は現在エヌシーバスに移管されています。
近鉄郡山駅を出たバスはほぼ県道7号線に沿って北上し、途中左折して若草台へ入っていきます。
この辺りの地名は面白いことに若草台ではなく、奈良市丸山。若草台の方が新しそうに聞こえたのですが私の思い込みだったようです。
若草台停留所は住宅地の一角にあり、折り返しのための待機場が設けられた簡易ターミナルとなっています。
この停留所からは38系統の他に27、28系統(~学園前駅)、50系統(~富雄駅)が出ており、いずれも住宅地から駅間を往復する通勤・通学には欠かせない路線となっています。
また、2018年より七条西町(現 奈良県総合医療センター)経由に経路変更が行われました。
それまでは県道7号線の行き違い不能な狭隘路線だったのです。この経路変更で木島停留所の位置も移動されました。
奈良県総合医療センター
(木島~荒新田間)
※経路変更に伴うもの

旧木島停留所付近の道路(県道7号線)。小型バスでもギリギリぐらいな道幅である。
奈良交通=メディアート
奈良交通と言えばMEDIART制作。形式は8トラで再生速度は半速です。
別に車外テープも存在し、当時は常に2本体制で運行していました。テープが2本差さる仕様のデッキも存在します(clarion CA-001など)。
声優さんは女性ですが、その昔は男性アナウンスの時代もありました。
男性アナウンスについてはまた別で紹介したいと思います。
さて、冒頭でもお話した出発後と到着前の2度放送があるのは珍しいという事実。出発後に次の停留所が1度だけ放送されるというのが一般的ですよね。
くどいようですが放送内容を下記にまとめてみました。
・出発後
「次は、○○(~前)です。」
・到着前
「○○(~前)です。」
※○○には停留所名が、「~」にはCMの店や建物名が入ります。
一般路線バスで2度放送されるのは奈良交通の他に長崎県営バスや島鉄バスなどありますが指折って数えるほどしかありません。
それでは2度の放送に注目しながらお楽しみください。