今回は井笠バスのお話です。
突然ですがクイズです。
テープを2つ並べました。井笠バスのテープは左・右のどちらでしょう?答えは末尾で。
井笠(鉄道)バスについて
井笠バスと聞いて「井笠バスカンパニー」が思いつくことでしょう。今回のテープは井笠バスカンパニーが出来上がる前の「井笠鉄道バス」のお話なのです。
井笠鉄道はその名の通りかつて鉄道路線を保有していました(1971年に廃止)。
その後社名は変えずに路線バス、貸切バスのみの営業を行い続けていました。
過去には赤坂遊園という遊園地の経営も行っていたそうです。
2012年10月31日をもって保有路線沿線の過疎化を主とした経営悪化のため事業の継続を断念し、事業を撤退することになり破産手続きを行い会社清算されてしまいました。
廃止直前の同年10月17日に廃止対策会議が開かれた結果、バス路線を中国バスが引き継ぐことになり、運行本数や一部系統廃止などが行われることになりました。
これにより岡山県の総社市からは路線撤退することが決まったのです。
井笠鉄道からの運行を引き継いだ後の2013年4月、中国バス100%の子会社である井笠バスカンパニーが設立され、福山市内で完結しない路線の移管の他に笠岡市内と矢掛町内で車庫の新設などが行われました。
一方福山市内完結路線では中国バスと改組された井笠バス福山カンパニーで運行を継続させましたが、2013年10月より一部路線の廃止とデマンドタクシーに移行させて井笠バスカンパニーが運行しています。
…同じような会社名が並んでいてかなりややこしいお話ですよね。簡単にまとめておきます。
・井笠バス=井笠バスカンパニーではない → 井笠鉄道バス
・井笠バスは2012年10月で撤退した → 中国バスが引き継いだ
・中国バス100%子会社の「井笠バスカンパニー」を設立させて井笠バスから引き継いだ路線などを移した
【廃止】昔は中国バスも通っていた
今回紹介する路線は廃止されていますが、昔から中国バスが運行していた引野・旭ヶ丘方面へ向かう路線が同じルートを辿るため、井笠バスカンパニーに移管され現在も残っています。
福山駅南口の大きなロータリーを出たバスは、国道2号線を通って梶島山停留所を最後に左折し、東福山駅南口のロータリーまで乗り入れていました。
決して距離が長いわけでも住宅地へ乗り入れるわけでもないので果たしてどれだけの乗客が利用していたのか、気になる所です。
だから廃止されたんだろうと言われればそれまでですが(笑)。
井笠バス=エンドレスエコー
井笠バスといえばエンドレスエコーです。規格は8トラの半速。声優さんは岡本さんと思いきや、新潟交通やKBCメディア制作ではない宮崎交通で聞けるもう一人のおばちゃんです。
クイズの答えと解説
さて、冒頭でクイズを出しました、どちらが井笠バスかという問題。
正解は右でした。
左は中国JRバス(岡山)なのです。
実はバスの日イベントではお馴染みひろしまバスまつりでは広島県を越えた岡山管内のJRバスのテープや県境をまたがって路線を持っていた井笠バスのテープとどちらも出品されるだけではなく、どちらも8トラ、ラベルはエンドレスエコーなので手にしたファンの方々もよく間違って購入されています。
間違って購入しないためにも井笠バスとJRバスとを見分ける3つのポイントの紹介です。
①ラベルの色(制作年月日)
JRバスは早くから音声合成化されたせいもあって平成9年ごろまでのテープが多いのに対し、井笠バスは平成15年頃までのテープが存在しています。
緑だけだったラベルも新しくなるにつれてオレンジや水色が出てきているので、緑色以外のラベルはまず井笠バスと見ていいでしょう。
②区間の記し方
区間と区間との結び方に注目です。JRバスは矢印表記(往復収録でも矢印表記)なのに対し、井笠バスは「~」で記されています。ただし、井笠バスでも片道収録のテープが存在しますのでそこには十分注意しましょう。
③テープナンバーの記し方
これが一番の見分けポイントになろうかと思います。JRバスは「No.」があるのに対し、井笠バスは番号のみが記されています。
以上3つのポイントを押さえておけばまず買い間違えることは無いでしょう。
今回クイズにしたテープはどちらも矢掛発で井笠バス(※)はもちろんJRバスも撤退している地域なので知っている人でないとかなり難しい問題でした。
※井笠バスカンパニーでは一部路線が存続。
あなたは正解できましたか?
それでは井笠鉄道時代の貴重な放送をお楽しみください。