今回は国際興業バスのお話です。
このテープの特徴は…
平成初期の貴重な音源&珍しい声優さん!
国際興業バスについて
国際興業バスといえば東京都、埼玉県内に路線を持つ大手バス会社ですね。
こちらも歴史が古く、戦前にいくつもあった会社を合併・吸収しながら1950年に国際興業バスが発足しました。
その後はJR埼京線や埼玉高速鉄道の開業など埼玉県の発展が著しく、それに合わせて路線や運行本数の大改革を実施。2003年秋までに三度再編され「三度の大再編」とも呼ばれています。
一方、近年では飯能地区の赤字の補填が難しくなってきたとして営業所の廃止や他社移管、コミュニティーバス化などが視野に入っており、今後の動きに注目したいところです。
鳩ケ谷営業所の主力 [赤21]
路線は当初川口駅~鳩ケ谷の間を結んでいましたが、荒川大橋が開通したことで1929年に赤羽駅まで乗り入れるようになりました。
現在のように鳩ケ谷公団住宅発着が出来上がったのは1958年のこと。駅と住宅地とを結ぶ大動脈として乗客の数も増えていき、急行系統の新設やバス専用レーンの整備などスムーズな運行ができるように様々な策が講じられました。
埼玉高速鉄道が開業してからは運行本数の減少、路線統合や廃止、更には終着地として長年使われてきた鳩ケ谷ターミナル(浦寺操車場)が閉鎖されるなど厳しい状況に追い込まれたものの、鳩ケ谷営業所の主力路線として現在も赤21系統は運行されています。
そしてこのテープは埼玉県のさらなる発展を遂げる前の頃で、鳩ケ谷市役所(現在の鳩ケ谷庁舎)が三ツ和に移転する前や埼玉高速鉄道の開業前などで現在の停留所名と異なる停留所がいくつもあるというところにも注目です。
国際=国際? 路線と再生速度の違いにも注目
国際興業といえば国際標識(現 ケイエムアドシステム)制作のテープです。
テープラベルにKOKUSAIロゴが入ってたので国際興業バスが主体となって放送分野でも力を入れているのかと思っていたのですが全く異なる会社のようですね。
こちらは営業所でラベルの色が異なります。
【都内路線】
ラベル色:緑
再生速度:等速
【埼玉路線】
ラベル色:橙
再生速度:半速
今回のテープのように都内に乗り入れてあっても所管が埼玉県のため橙色の半速のテープ、というわけです。営業所でテープの仕様が違うと色々と不都合が出てきそうですがどうやって対応していたのでしょう…?
声優さんは国際興業バスでは珍しい古澤さんです。独特の語尾はとても耳に残ってしまう印象です。
そしてこの頃から放送前にメロディーチャイムが導入されるようになりました。記念すべき初代のチャイムは4打点とシンプルな音源が採用されました。音色はオルゴールです。
そしてお気付きの方はいるでしょうか、なぜかラベルが上貼りされています。テープの再利用かと思いきや透かして見ても区間も制作年月日も全く同じ。エラー、でしょうか…?
それでは現在とは異なる赤21系統をお楽しみください。