車内放送

【放送テープ】都営バス 葛西駅→錦糸町駅

今回は都営バスのお話です。
このテープの特徴は、

基幹路線の全区間もの!!

正直都営バスの全区間収録のテープを入手しようと思ったら今は値が張ります…

存在が貴重!な公営バス

会社の説明よりも先に、公営バスについて簡単にお話ししたいと思います。

文字のごとく地方自治体が経営するばすのことで公営交通の1つです。
「~市営バス」なんて皆さんの住んでる場所では走ってないでしょうか?これも立派な公営バスの1つです。

しかし、自家用車の普及や人口減少などで経営が厳しい状況なのは言うまでもありませんが、こうした問題を解決しようと民間企業へ委託する自治体が増えています。

交通局・交通部を完全に廃止し、民間企業へ全て引き継いでもらう方法と、運営だけ委託しても路線や車両は自治体が保有するままの大きく2つに分けられます。

そんな縮小傾向にある公営バスが今でも残っているのは珍しい部類に入りますし、何といっても都道府県単位で運営しているのは長崎県とこの東京都のたった2つなのです。

東京都交通局(都営バス)について

都営バスが誕生したのは1924年。前年に関東大震災で当時の市電が打撃を受けて運行できない状態となり、代替の手段として暫定的にバスの運行を開始したのが始まりでした。復興でバスの営業をやめるつもりが意外にも好調だったようで徐々に規模を拡大、路線の新設や市電廃止による引継ぎや統合などを繰り返した結果今では12営業所7支所体制、乗合車両数は1513台にまで伸びました(2020年4月現在)。

バスの平均車歴は約8年。10年も経たないうちに車両が入れ替わっている点もさすが首都を担っているバス会社なだけあるなと感じます。そうして役目を終えたバスは中古車として各地で第二の人生を歩んでいることも少なくはありません。

佐賀市営バスへ移籍した元都営バスV618。※引退済み。

乗客たちで賑わいを見せる錦25系統

路線図を簡略化させるとほぼL字型であり、全区間運行する本数は平日1時間に平均7~8本。鉄道線空白地帯の小松川地区からJR駅へも地下鉄駅へも行けることもあり、乗客の数も全区間を通して多いそうです。

この路線は、三角~錦糸町駅間約7.6kmを15系統として1946年に運行を固めました。というのも終戦時にはすでにこの路線が存在しており、三角~亀戸駅間に短縮していた期間もあったからです。

1969年に路線が葛西駅まで延長されたことで葛西駅~錦糸町駅間が全通。1972年に系統を「錦25」に改められ、周辺の道路やターミナル整備による経路変更を経て現在に至ります。

1つだけ言えるのは昔からある伝統的な路線ということですね。

都営バス=ニッポンレコーディング!だけど…

都営バスといえばニッポンレコーディング制作ですね。ラベルはですが、たまに水色があります。放送内容に影響はなくとも水色が出てきたらある意味珍品です。

側面のラベルは制作年や営業所によって縦書きだったり、方向幕のコマ番号が記載されてあったりと色んなパターンがあります。このテープの場合は方向幕のコマ番号が往・復で記載されています。

ケースには白とが存在します。白が採用されていたのは主に平成7年制作まで。平成8年からは黒が使われていますが、ただの色違いではなくケース作ってるメーカーから違うので恐らくコスト削減によるものだと思われます。

声優さんは何人も居ます。このテープで放送している方は黒ケース、いわゆる平成8年以降の制作でよく聞くことができます。平成初期(1990年頃)の制作では全国のワンマン放送では現在でもお馴染み平川さんが担当していた例もあるくらい声優さんがバラバラなので同じ区間のテープでも制作によっては違う声が聞けるかもしれません。

また、白ケースの頃と黒ケースの頃では放送前のチャイムの音色も異なります。黒ケースの方が木琴系の強調された音色になっているのでその辺りにも注目してみてください。

それでは臨海東部を駆け抜けて、行ってらっしゃい。